最期の別れ

おばちゃんの棺のなかに、あの桜染めのマフラーをいれさせてもらった。
病院の行き帰りにつかってくれるといいなと思っていたけれど、使う前におばちゃんは天国にいってしまったから、せめて一緒にと思って。孫たちも鶴の折り紙や写真、ビーズのアクセサリーなんかをいれていた。ママに「火葬ってきらいなんだよね、やめてほしい」っていったら「じゃあ土葬するの?」といわれた。そう土葬のほうがまだいい。
おじいちゃんやおばあちゃんがなくなった時、棺を焼却炉にいれる瞬間どんなに悲しくてこわかったことか。で次みる時は小さな骨になって出てくる。なんか死んだ人にも生きている人にも拷問みたいな辛い別れだと思う。

おばちゃんの死はなかなか実感がわかないけれど、最期に棺のなかのおばちゃんとお別れする時、涙がポロポロこぼれた。実感がないのに、涙は自然に流れてくる。

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