新しいお家

神楽坂の家の手続きが着々とすすんでいる一方、わたしの心の中から小日向のあの家の景色がはなれない。古くて、植物が元気で、素朴なあのお家。やっぱりあの土と草のある風景が好きだったんだと思う。戸越のおばあちゃん家が大好きで、とりこわしになってしまう前の1年だけでも暮らしたかったんだけど、土地の権利をうるとかうらないとかうことでゴタゴタしているからとあきらめたけれど、古い木造の家に対する思いがきっと心のなかにのこっているんだと思う。
植物が元気な様子とか、古い木造の家の壁や柱の感じとか、そういうのが小日向の物件はなんとなく似ていたから、暮らしたら不便そうなのとかはわかっていたけれど、捨てがたかった。
でも、もう赤城のほうに決めたから。使い勝手のよさとか交通の便のよさとか。
いつか大切に作られた古い一軒家に暮らそうと思う。アパートでもいいんだけどね。


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