カッサンドラな母

「いい?わかった?わかった?」
と電車に乗りながら、小さな子供に問題集をたたきこむ怖いお母さんにあった。
ちょうどその時、梨木さんの小説を読んでいて、かつて自分が封印していた記憶のなかの母「カッサンドラ」のところだったので、よけいおそろしさが伝わってきた。
おりる時、少年の顔をチラっとみたけれど、小さくかたまっていた。
親って誰のために勉強をやらせているのだろうか。

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