四時間目が終わったら その二(全三話)
四時間目が終わったら
その二 「作者より父ちゃんの気持ち」
本を読んでも作者の言いたいことがわからない。
いや、わかろうとしていない。
国語の教科書が大嫌いだ。
図工ならよろこぶのに...。
小学生の時間割は、
毎日国語がある。
でも、図工は週に二時間だけ。
どうして少ないのだろう。
毎日思っていた。
国語のテストで、
必ずこの問いがある、
「作者は何が言いたいか」。
一度もわかったことがない。
だからテストはおもしろくない。
点数もわるいし。
国語なんて、
なければいいのに...。
父ちゃんが仕事から戻ってきた。
冷たい缶ビールを渡す。
よろこんで飲んでいた。
冷蔵庫の中には、
いつも冷えたビールを用意しようと思った。
父ちゃんの気持ちが大切だと思う。
大人になった今でもそう思う。
<つづく>