第二話 夕日にうつるダメなオレ (全三話)
何もしない記憶
第二話 夕日にうつるダメなオレ (全三話)
昼ごはんを食べても
何もしない時間は続いた。
台所で食器を洗ったあと、
また縁側に戻って
外を見ている。
そして、寝てしまう。
三時、かあちゃんが仕事から戻り、
僕も一緒にお茶を飲む。
なんてことない会話がそこにはあった。
疲れたかあちゃんは、
昼食をとると
洗濯や夕食の準備を始めた。
昼寝もせずに。
その姿をそばで見たり、
時には手伝う。
七時ごろ、
海に沈む夕日を見ながら思った。
「あぁ、今日も終わるのかぁ。」
大きな罪悪感があった。
夜のテレビはおもしろい。
プロ野球中継やバラエティ、
家族みんなそろっての食事は楽しかった。
時計は九時、
シャワーをあびて寝る。
「オレって、ダメだなぁ...。」
<つづく 次回・最終回>