ニセ苗字をもらった悲しさ
お店のお手洗いに、
買い物袋を置き忘れた。
電話をすると、
運よくあった。
買ったお店と、
置き忘れたお店は違っていて
何か大問題の前兆だと思う。
とても大切なものを
置き忘れそうなので
この夏は注意深く持ち物を見ておこう。
なくした時刻は正午。
気づいたのは午後2時。
手にしたのは午後8時。
電話したとき、
僕の苗字を聞き慣れないのか
わかってもらえなかった。
間違えられた苗字のまま、
「あ、はい、そうです」と妥協した。
受け取るときも、
違う苗字で名乗って
へんな気持ちだった。
東京へ来て、
ニセ苗字をふたつ持っている。
合計三つを使い分けている。
「さすがに、もう増えないと思う」